近畿 精神世界  ミーハーの精神世界みてある記 7  近畿 精神世界 
by いずみ
このコーナーでは精神世界や霊の世界について体験したこと、
面白かったことなどを中心にお伝えしていきます。


2003.3月掲載

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愛心整体院・愛媛県松山市
 友人Sが松山ですんごい整体師さんを見つけたと言う。夫婦でされていて、二人とも中国で学んだらしい。 友人はかなりはまっていて、せっせと何日もかよっている様子だ。大阪に戻った彼女に会って驚いた。 今までは外見をどう取り繕ってみても中味は男性で、女性性を表現することに強烈なストップをかけていたのに、なんと、女性らしさがにじみ出ているのだ。 声のトーンも違う。目の輝きも優しい。精神的にも今までになく安定しているようで、大人の女性の優雅さがある。 本当にびっくりだった。友人Tも松山に行って変身した。彼女は体調が非常に悪かったのだが、奇跡的に回復し、その上どよんとしたエネルギーがなくなり、スッキリしていた。 妙にかわいらしくなっている。SもTもすでに十何回以上も行っているらしい。これは私も行かねばならない。 友人たちがどんどん磨きがかかってステキになっていくのに、私だけが取り残されてしまう。
 スケジュール調整をして、8日間連続で受けられるようにした。 9日目には私もすばらしく美しい女性に変身して大阪に帰り、家族も友人たちも流れ星さんも、私のすばらしさに驚きひれ伏すに違いない。

第1日目
 クリンとした愛嬌のある顔の、旦那さんの先生がまず身体を調整してくださった。 整体用のベットに寝ると、背骨や足や腰の堅い所を次々と触れられた。 「かなり堅いですね。」と言われて恥ずかしかった。気功を教えている事は知られてはならない。 教室でも首肩背骨のほぐしをかなり徹底的にやるが、実は私の身体が一番こわばっているかもしれない。とにかくほぐれないのだ。
 特に数日前から重傷の花粉症に襲われていて、そうでなくても堅い身体はバキバキで、全身に鎧を貼り付けているような状態だった。 鼻水鼻づまりもひどく、治療を受けている間にも、何回もティッシュペーパーをもらわなければならなかった。
 「小さい頃に事故とかしたことありますか?」全く心当たりはない。どうしてですか、とたずねると、頸椎2番が大きくゆがんでいるらしい。 さわられるとかなり痛い。この2番のゆがみが3番に影響して、目、耳、鼻の不調になっているのかもしれない。 私はずいぶんいろいろな、それも超一流と思われる先生に身体の治療を受けてきたが、頸椎2番のことは言われた記憶がない。単に記憶がないだけかもしれないが。
 直りますか、とたずねると、悪い影響を与えているのを減らすことはできます、とのことだった。それでずいぶん首筋を押さえてくださったが、強烈に痛かった。

 約1時間で奥さんの先生に交代した。中国出身の若くてかわいらしい、愛らしい雰囲気の先生だ。押さえられる指の感覚もしなやかでやさしい。 その優しい指に似合わない強さで足の筋など堅い部分を押さえてから、耳のツボをしてくださった。それも強烈に痛かった。
 「福本さんは、右の耳で聞いていますね。」ばれてしまった。実は左耳はほとんど聞いていないのだ、ということに最近気づいていた。 最後にテープで小さな玉のようなものを耳たぶに数カ所貼ってもらった。
 「何のツボかは言いませんから、身体で感じてくださいね」とのこと。何だろう、ワクワクする。
それから足。オイルを塗って膝下全体をマッサージしてもらった。強烈にいたい場所がいくつかあった。 いつのまにこんな身体になってしまったのだろう。

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 約2時間の治療を終えて、道後温泉に行く。治療と温泉はセットで、絶対にはずせないと友人から聞いていた。 治療で受けた刺激で、体内から浮き上がってくるものがあるらしい。温泉がそれを浄化してくれるのだろう。
 どこまで乗っても150円というリーズナブルな路面電車で道後温泉に行く。この日は椿の湯という所に入ってみた。いいお湯だ。ふと気が付くと肌がとてもなめらかだ。 花粉症の春は毎年一番の肌荒れの季節で、何をぬってもカサカサになるのだが、全身しっとりスベスベになっている。こんなことは初めての体験だ。
 それともう一つ驚いたのは、自分の身体がいとおしく感じられるのだ。 私たちはみんな普段あまり身体を省みていないし、感謝の気持ちも薄いし、もっと身体を大切にしなければ、などと偉そうに人に言っていた私なのだが、それは頭の理解だった。 知識から言っているだけだった。それがこの日はお湯で身体をなぜていたら、自分の内側から身体を慈しむ感覚が自然にわいてきた。不思議だった。

 温泉で充分にふやけた後は、商店街でじゃこ天と漬け物を買った。そのあたりのことは「食べ日記」をごらん下さいね。


2日目
 男の先生が私を見て「昨日と全然顔が違いますね」と言う。そうだろうか。昨日も今朝も鏡は何度も見たけれど、特に変わったことはなかった。 そしてまた全身をほぐしていただく。
 「福本さんは早いですね。昨日と身体が全くちがいますよ。気の流れが普通の人とは違いますね。」
そうだろうか。たしかに昨日押さえられて痛かった所が、今日はたいしたことはない。ほとんど大丈夫だ。それに花粉症はかなり楽になっていた。 今日は少しは物が考えられる。もしや、と思い聞いてみた。
「私のを受けて、昨日はしんどくなったりしませんでしたか?」
「うん。たいへんだったよ」
やっぱり。でも先生の声はまっすぐな響きだ。

 後半はやはり女の先生。昨日と同じようにあちこち押さえていただく。
「昨日と全く違った身体になってますね。福本さんは早いですね。普通の人はこうなるのに4〜5日かかるんですよ。」
また言われてしまった。そうなんだろうか。比較しようがないので私には解らない。でも4〜5日分を一日で済むのならメチャメチャ経済的でうれしい。 ということは、もしかしたら4〜5日分の私の邪気を昨日は一気に受けてしまったのかもしれない。お聞きすると
「すごかったですよ。」
やっぱり……。私が楽になった分、先生はマイナスを引き受けてしんどくなる。 それは身体の治療をする人の宿命でもあるし、お二人はその浄化の仕方も解っているという事だし、 治療費にちゃんとその分も入っているだろうし……などとごちゃごちゃといいわけやら正当化やらを頭の中で考えていた。

 そして今日は顔もしていただいた。私はいつも首から上に灰色のバケツをかぶったような感じがあった。 顔のそぱに誰かの手が来たりするのがとてつもなく不快で、よく娘にからかわれていた。厚み10センチくらいのエネルギーの壁を作っていた。 いつもそうだったのでそれが当たり前になっていたが、そのバケツの壁で肝心なことは観ないし聞こえないようにしていたと思う。
 先生があちこちをしなやかな指で的確に押さえてくれると、霧が晴れるような感じでそのエネルギーの壁がサーッとなくなっていくのがわかった。 幕が開くというか、世界が一気に広がっていくような感覚だ。そしてなんだかわけもなく幸せでうれしくなった。顔が勝手にニコニコする。

 終わってから先生に「ちょっとお話がありますから、待ってて下さいね。」と言われた。何だろう。こんな言葉の後にはろくなことがない。 身体は幸せでワクワクで、頭だけ悪い予感がするという妙な感じになった。
 お話とは、2日間やってみて、私の身体の変化が特別に早い。今は身体が完璧なわけではないが、絶妙なバランスがとれている。これ以上やってそれを崩すのはもったいない、と言う。 だからこれ以上やらない方がいい、やればもっと辛い状態になる、とのことだった。
 驚いてしまった。8日間の予定で来たのに、2日で終了だなんて。 しかし、私の目的は体調がよくなることではなく、自分をクリアーにすることだ。状態が一時的に悪くなろうと、辛くなろうと、それで自分をよりクリアーにできるのならかまわない。 そうお話すると、これ以上やって辛い状態になった時、それを戻す自信がない、中国の先生ならできると思うけれど、今の私たちでは無理です、それだけの技術も自信もありません、 と言われてしまった。
 ぼーぜんとした。私は見捨てられたのだろうか。とも頭は考えるが、身体はまだ幸せのままだ。不思議な感覚だ。 どうしたらいいのか解らず、よく考えて明日また話をしましょうということにした。

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 この日の温泉は、「千と千尋」の物語のモデルになったと言われている道後温泉本館に入る予定だったが、道後温泉は温泉祭りの最中で女御輿がちょうど本館の前に来ていて、 たくさんの見物人であふれかえっていた。とても入れそうにないので、古湧園というホテルの露天風呂に行った。 すばらしい造りですばらしいお湯だ。 露天風呂の岩に腰掛けて、ピンクに咲く椿や青い空を眺め、遠くに聞こえるお祭りの声を聞き流しながら、ただぼんやりしていた。


3日目
 男の先生は何も言わず、いつもと同じように全身をほぐしてくださった。身体はずいぶん柔らかくなっている。
 女の先生に代わり、話をした。
 前の晩、私は自分が占い師でもあることを思い出し、コインを振ってみた。するとすぐさま帰るという卦で、それが非常にラッキーと出た。 読み間違えのないようなはっきりとした卦だ。
 それに、実は私は今回のテーマとして「執着を手放す」という事を考えていた。この状況で無理に続きをお願いするのは、単なる執着にすぎないような気がした。 もしそうならば、素直に帰る方がいいに決まっている。
というわけで「先生に言われた事、納得できました。大阪に帰ることにします。」とお話した。 先生も、その方がいいですね、と言ってくださった。

 バランスがとれていてこれ以上やらない方がいい、と言われたが、私の感覚では、昨日は絶妙なバランスで第一ラウンドが終了し、 今日は自動的に身体が第二ラウンドに入りつつあるように思った。身体が古い症状をいろいろ出し始めていた。
 それに今日も先生は遠慮なく結構ハードなことをやって下さった。
 頭や額のツボを押さえて「何色が見える?」。黄色だったり、途中で色が変化したり、場所が変わるとまた色も変わる。 ある場所は、心の内側に入っていくツボで、どんな色が見えるかでどのくらい深く心の中に入っているのかが解るらしい。私はそこは色がなかった。 透明だった。それが深いのか浅いのか聞きそびれたのが心残りだ。
 それから首すじ。強烈に痛い。 右側は怒りで、左側は悲しさ寂しさと嫉妬がまじった複雑なものだそうだ。ひとしきり痛い思いをしてからお腹に移る。お腹は怒りの場所だ。
 実はここに来る直前にソバをたべてしまい(食べ日記のそばや玄をお読み下さい)、かなり満腹なのでどうしようかと思った。 あんなにおいしいソバをゲロするのはもったいない。先生の顔を直撃したりしたら大変だ。 が、今日で終わりだしこんなに面白い事を途中で止められては、くやしくて大阪に帰れない。胃袋のソバはないことにした。おへその周りを入念に押さえる。 何もないなあと最初は思ったが、奥の方に何かがある。これがため込んできた怒りか。呼吸でどんどんはき出す。色は濁った赤だった。
 恨みもまじっていて、なかなかハードで深刻だ。
 それからみぞおちの周り。このあたりは少し感覚がちがう。オレンジ色で、お腹よりももっとストレートな怒りだと思う。 それも呼吸でどんどんはき出す。かなり深く長い時間押さえるけれど、胃袋の上を直接ということはなかったので、お腹は大丈夫だった。

 次は足だ。足の付け根左右2箇所をぐーっと強く押さえられた。トマトのような赤いエネルギーを感じる。 これは私のではなく先生のエネルギーだと思う。足を感じてみると、右足がない。左足だけが強く太い。左足でがんばってきたのだろう。
 先生の細い指でこんなに強くこんなに長く押さえていて、指がダメにならないんだろうか、と心配しだすころに一区切り。そしてすぐまた同じように押さえる。 すると今度はちゃんと右足がある。みるみるまに右足が回復していく。風船がふくらんでいくようだ。
 足が喜んでいるのがわかる。静かで穏やかな感謝のような平安な感じがする。
 足が喜んでいる。小さな花が一斉に咲き乱れるような喜びだ。
 「あわ、足が喜んでいる!!!!」こんどは全身に喜びが広がった。何の理由もなく幸せで嬉しい。細胞の一つ一つに愛のエネルギーが充分に満ちていて、すべてが完璧に整って美しい。 嬉しくて嬉しくて笑ってしまうのを止められなかった。

 幸せというものは、誰かが自分を幸せにしてくれるものでもないし、何かがあるから、何かを得たから幸せなわけではない。 自分の中で愛や命のエネルギーがあふれている感覚を幸せと言うのだ、ということが、本当に身体で解った。

予想外の展開でどうなるのだろうと思ったが、濃い3日間だった。

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 大阪に戻ってすぐ、大きなが課題が訪れた。多少気づいてはいたけれど、直面をさけてきた自分の本当の姿が、隠しようもなく露呈した。それは私の中の傲慢さだ。
 いつも自分は女王様でいたいくせに、決して責任を取ろうとしない全くの子供の私だった。 私はいつも完璧にすばらしい人を演じようとして来たが、根底には常に傲慢な子供がいたと思う。私の人生がうまくいかなかった理由が、また一つみつかった。
 今までのセルフイメージとあまりにかけ離れた自分の姿を発見し、笑ってしまった。あきれてしまう。なんと深く身体に染みついていたことか。 そしてこれは、整体を受けたおかげで浮かび上がってきたのだろう。それに対処できる私になったということかもしれない。 この年になってやっと、私は本物の大人になれるのかもしれない。その入り口にいるように思う。