精神世界  ミーハーの精神世界みてある記 24  京阪神
by いずみ

2004.8月掲載

精神世界 山口所長の治療と、
正しいパンツのあり方についての考察ちょっぴり
  京阪神

先日も朝田歯科に行った時に、山口さんの整体を受けた。
彼の整体のおかげでかなり調子はよくなったが、心の奥にひそんでいた影がまた暴れ出し、ちょっとやばいかなあ、という感じだったので、整体を受けることにしたのだ。

いつものように先に支払いをすませて4Fに行くと、山口さんに「今日はどうしたの?」と聞かれた。なんだかいつもの感じと違う。どうも…なんか違うなあ。

「人は常に何かを求めているんよ。人だけじゃなくて、何でもそうなんだけど、何かを求めるから行動したりするわけでしょ。そうやってバランスをとろうとするもんなんよ。オレはいつもそのこと考えているんよ。」

つまり、私が何を求めて来たのか、ということを問われているということだな。
でも、それを話す前から、なんだか読まれているような気がするのだ。
それなら私も隠す必要はない。

最近の気掛かりを聞いてもらった。
ああでこうで、ああだからこうで…で「ちょっと私、やばいのよ。」などと言うと

「それは『しょうがない』でしょ、諦めではなく、今すぐに扱えないことは置いておくんよ。そしたら必ずまた何かのチャンスが来るんやから。逃げたから悪いんじゃなくて、扱える時期がくれば扱えるんやから。」

それは私もよくセッションに来た人に言う言葉だ。クライエントさんには言うことなのに、自分自身は盲目になっていたらしい。
いろいろ話すうちに、自分が恐怖感に捕まれていたことが分かった。


「今日はお腹を中心にして、あとちょっと首をさわるからね。」
と言われて、治療台に横になり、ジーパンのボタンを外した。

山口さんの大きな分厚い手が、私のおへその上に置かれた。お腹の堅さを調べている。
「柔らかくなってきたやんか。」

そう。
何かストレスに振り回されると、とたんにお腹が堅くなる。何度もほぐしてもらったのに、また堅くなる、を繰り返しながら、少しづつ柔らかさが増えてきているようだ。
堅い所を押さえられても、今までよりも柔らかくなるのが格段に早い。

とても心地いい。なんともいえない暖かさ、心地よさだ。


そして、こんな時ながら私は気になることがあった。
相手が一流のプロだと、男性でも身体に触れられたり見られたりすることに全く抵抗はない。が、毎回お腹をしてもらうと、そのたびにパンツが見える。
こういう時には、どんなパンツを履いていくのが正解なのだろう。

「いずみちゃんは指導霊がついているから、色々なことがあるんよ。ウロウロしていると守護霊だけになるよ。」 などと言いながら、山口さんはおへその上に置いた手に少し屈みこんで、祈りのようなことを始めた。口の中で何かをつぶやいている。
おっと、パンツのことを心配している場合ではない。何かわからないけれど、私は彼の祈りに心を添わせた。

パンをこねて焼いたことがある人なら分かると思うが、醗酵してふっくらと暖かいパンの空気を抜くのは、なんとも言えない気持ちよさがある。パンをこねる手も、パン自身も気持ちいいに違いない。
山口さんが私のお腹を柔らかくするのは、あの気持ち良さにとても似ている。

そんな柔らかい暖かさを感じながらも、私の頭からは、パンツのことが離れない f(^_^; スンマセン
パンツの王道は、真っ白な綿だろうか。
でもまさか、73才になる母も履いているグンゼの細いゴムの入ったものはちょっと…
豪華なレースのついた勝負下着を履いているのも変だし、
3枚1000円の安物も恥ずかしいし、
いったい、普通のパンツとはどういうものなのだろう。
こんな時に見られる下着は、豪華すぎても質素すぎてもなんだか恥ずかしい。

などと頭の片隅で妄想しているが、身体にはただならない変化が起き始めていた。

お腹がどんどん暖かくなる。どんどん、どんどん、無限に暖かくなる。それは熱さとは違う、無限の暖かさのように感じた。

山口さんは、自分の群発性頭痛を治すために身体の治療の勉強を始めたのだそうだ。周りの人たちは彼の治療を受けて、どんどん良くなっていく。でも彼自身は治らない。人の事は治せるのに、自分のことはどうにもならない。
「でもそれでいいんよ。一人がよくなると、家庭全体がどんどん変っていきよる。」
のたうちまわるしかない強烈な頭痛がいつやってくるか分からないのに、そんな事を言えるなんて、この人はどんな体験を重ねてきたのだろう。

彼の話を聞きながら、頭の片隅ではパンツについての考察を進めながら、身体は際限なく暖かく柔らかく心地よく、溶け出していった。
「なんかすごいわ。」
身体の変化に、妄想はどこかに押しやられて、私はお腹の中から出てくる途方もない何かにメロメロになってしまった。

どう表現したらいいのか分からない。
圧倒的に暖かく柔らかく、至福の美酒、それと私はイコールだった。
とてつもなく濃密で深い、甘くて広いものは、私だった。
いつのまにか涙が勝手に流れている。ほほから髪の毛あたりがビショビショだ。

たっぷりと時間を使ってもらったような気がする。
山口さんの手が離れて、頭の方に移動してきた。私の頭と山口さんのお腹が触れている。


突然激しく喜びが込み上げてきて、声を上げて泣き出していた。



それから、少しづつ、時間をかけて、私は現実を取り戻していった。

「ねえ、何をしてくれたの?」と質問しても、言葉を濁してハッキリとした事を言ってくれない。たいていの霊能者さんやヒーラーさんは、何をしたのか説明してくれる。山口さんは、そういう事をあまり語りたがらない。語らないどころか、いつもよりもそっけない。
「いずみちゃんの中に、ああいうものがあるんよ。」とだけ。

たぶん魂とのつながりを太くしてくれたのだ、と思う。勝手に私はそう思っている。



それから、私の中に何があってもゆるがない何かが、はっきりと感じられるようになった。
あの時の感覚を思い出しながら、自分の下腹にこっそりと話しかけてみる。お腹は、いつも暖かく反応してくれる。

数日後にふっと分かった。
私という人間は、この魂の依り代なのだ、と。
私は誰か、という質問は、いつも私の心の片隅にあった。今までいくつかの答えを手に入れてきたが、どれもmindの答えだったのだと思う。

今の私は、自分がこの魂の依り代なのだ、と意識すると、あの時の幸せな甘い感覚が蘇ってくる。この人生を与えられたことの幸せを、本当に感謝する気持ちがわいてくる。


女性にとって普通のパンツとはいったいどういうものなのか、治療に行くときの正解のパンツとはどういうものか、という疑問は保留したままだ。アンケートを取ってみようか、などとくだらない事を妄想する私は全く変わりなくいつもの私だけれど、何かが明らかに変化した。
この世にこうして存在することの確かさ、のような、自分が許されて愛されているという実感のような、なにかとても大切なものを私は想い出すことが出来たのだと思う。ありがとう。

大阪府茨木市にあります。ホームページから予約可能です。
山口さんの治療に興味をもたれた方も、一応歯を朝田先生に見てもらってから、山口さんの整体を予約してください。とのことです。

おまけ情報・となりのパン屋さん、小さなお店だけれど、ものすごい種類のパンを作っていて、しかもかなり安い。うまい。天然酵母のパンはおすすめです。