先日、「あかたび」がご縁で知り合った豊田さんという治療師さんと話していると、なにやら怪しくも面白そうな話題が満載だ。すっかりうれしくなってあれこれ質問ぜめにしていると、マヤさんという女性がマヤン・オラクルカードというカードを使ったヒーリングセッションをしてくれるらしい。最初に話を聞いていた時には、ただものではないカードがあるのだと思った。セッションを受けているうちにカードの色が変化したりカードの上に見える(感じる)ものが変化したりすると言うのだ。その上カードがマヤさんに話をするのだそうで、やり方もルールも全く決まったものはなく、その時その時で全く違う展開になるらしい。話を聞いているうちに、そのマヤさんとマヤン・オラクルカードの関係がただならぬものなのだ、と判ってきた。
私は俄然興味を持った。
私も占い師のはしくれで、カード自体にとても興味がありいくつかのカードを持っているのだが、どうもしっくり来ない。どのカードも使いこなせない。何か決定的に間違っているような気さえしてくる。しかしカードには興味がある。という所で立ち止まっていた。だいたい占い師ならカードの一つくらい使いこなせなくてどうするのよ、という考えも浮かんでくるが、いくら学ぼうとしてもビタッとこないので諦めていた。
カードを使うステキな占い師さんとの出会いにも、今まで恵まれていなかった。でも、このマヤさんは面白そうだ。是非会いたい。ヒーリングセッションを受けたい。
マヤさんは広島に住んでいて、月に一回程度京都の豊田さんの治療所でセッションをするらしい。
そして待つこと一ヶ月。予約の日が来た。
マヤさんは30代くらいの、かわいらしいステキな女性だった。豊田さんの明るい診療室の一角をカーテンで区切って場所ができあがった。
マヤさんはまず、手を合わせて祈る。私も心の中で手を合わせてご挨拶した。すると何だか空気の質が変化してきて、頭がクラクラする。何か、日常生活とは全く違う場ができあがったことが感じられた。高密度で優しい感じがした。
マヤさんがテーブルの上に置いたカードの箱が、気になってしかたがない。非情に美しい幾何学的な模様が描かれていて、何かのパワーにあふれている。私は一目でそれに惹きつけられた。たとえようのない、私のどこかに食い込んでくるような、あらがいようのない美しさだ。
マヤさんはとても心をこめて丁寧に箱を開け、44枚のカードを取り出した。カードの裏が見えている。宇宙を表現した絵だ。吸い込まれそうだ。
「何かこれをテーマにしたいという事はありますか? それともカードにお任せにしますか?」と聞かれて、私は「お任せにします。」と答えた。今扱いたいテーマがないわけではないが、カードを見て、カードによって与えられるものに従ってみたい、という気がしていた。
マヤさんはもう一度カードに手をのせて祈ってからシャッフルし、全体を4つの山に分けた。カードをどのようにシャッフルしてどう置いていくのか、毎回違うのだそうだ。マヤさんは毎回、カードとチャネリングしてカードの求めるように進めるのだそうだ。
4つに分けられたカードの山の、どれがいいかと聞かれて、一番右の山を選ぶ。私は自分がどの山を選ぶのか、全て知っていた。今考えるとそれも不思議だ。
マヤさんは私が選んだカードの山を手にとり、丁寧に一枚づつめくっては置いていく。めまいがしそうな程に美しい図形のカードが、次々と置かれていく。数枚のカードが置かれると、残りのカードを元の場所に戻してから1枚のカードを取り上げ、図形を私の方に向けてマヤさんは語り出した。
「あなた様に出会えて大変うれしく思います。あなた様は〜」非情に丁寧な上品な言葉で始まることに、私はびっくりしてしまった。最初は何を言われているのかよくわからなかった。私はすぐに、理解しようとすることを止めてしまった。というか、抽象的で美しい言葉が私の中に流れ込んできて、左脳さんが働こうとするのだが、珍しいことにそれがうまくいかなかったのだ。
今思い出せるのは「言葉」というものがテーマになっていた事。そして私には2つの恐れがあること。一つは人と心ふれあう事の恐れ。もう一つは、そこから離れる事の恐れだ。あまりの的確さに左脳は完全に麻痺してしまった。心の奥底にある一番のポイントを丁寧に優しくしかし的確に突かれた。痛みはなかった。
それらの恐れを私が解放することを受け容れるなら、カードさんはサポートしてくれるらしい。もちろんイエスだ。
私には自分の感情の一番重たい所に惹かれていく傾向がある、とも言われた。それは思春期以来ずっと私にあり、そのおかげで私は自分の中の一番暗い何かに響くものが好きだった。絵でも音楽でも小説でも、いつも私は暗く重い、どこにも救いのないものに惹かれた。
私はカードさんにヒーリングされることを受け容れるかと何度か尋ねられ、その度にイエスと答えてカードを受け取った。そのカードをハートチャクラの上に置く。次のカードからのメッセージが語られ、私はカードを受け取り、ハートに重ねる。
そして深い呼吸をして20数えるように言われた。50まで数えたこともあった。
最初は何も感じなかったのだが、ある数枚のカードを受け取りハートに置いた時、カードから大量の光が土石流のように一気にあふれ出て私のハートに入っていった。いつまでもそのエネルギーがとぎれずに、フルパワーで入ってくる。その迫力に圧倒された。
私の中にもういらなくなったエネルギーの暗い固まりがあったとしたら、そのフルパワーの光で一気に浄化され跡形もなく消え去ったという気がする。例えようのない非情な圧倒的なパワーでありながら、暴力性を微塵も感じさせない。生まれたばかりの赤ちゃんの毛髪のような軽い優しさだ。今まで私が一度も感じたことのない、不思議な癒しのパワーだった。
その後、セッションの流れが変わったようだった。過去に苦労し体験してきた事はもうおしまいで、それら全ては必要だった体験となる、のだそうだ。
いくつめかのカードの山の中から面白い図形のカードがめくられた。マヤさんは「これは何に見えますか?」と尋ねる。
「ペンギンの顔。三角の向こうに海が見える。……私の感じている恐怖心は実は妄想で、実際に恐れなければならない様な事は何もない。」と答えた。
さらにカードがめくられる。マヤさんにまた質問された。「このカードはどう見えますか?」
カードの手前にアーチ型の門があり、階段が続いている。
「私の望んで止まないもの、それがある場に、この門をくぐって行ける。」「行ける?」マヤさんの表情が微妙に変化したような気がする。「うん。行ける。この階段を登っていく。そこに私は行く。」
さらにめくられたカードがマヤさんの手に取られる。
「全く新しい時代が始まってもいい?」とマヤさん。
「もちろん!!」
「本当に大丈夫か、心に聞いてみて」
私は自分の内側に意識をあわせる。次に進みたい、前に進みたい、と何かがささやく。「大丈夫。行けると思う。」と答えると、マヤさんがカードをまた渡してくれた。それもハートに置く。深くゆっくりと呼吸する。
最後のカードは、紫色の美しい模様が描かれていた。「変容」というような意味だったと思う。受け取ってハートにあてると、カードが胸に吸い付いてくる。言われたとおり20数えて呼吸したが、カードは吸い付いたままだ。私はゆっくりとその感触を味わった。しばらくしてからやっと離す。マヤさんが言うには、カードがそこにずっといたがっていたのだそうだ。
このカードは生きている。生きて、呼吸し、非情に繊細で強力な波動でサポートしてくれる。
マヤさんによると、このカードは成長しつつあるのだそうだ。様々な人とセッションするごとに、成長していくのだそうだ。そして今回、私と出会えたことを本当に喜んでくれていて、マヤさんはカードをチャネリングしながら感動で何度も泣きそうになったのだそうだ。
私はただ不思議で、強力な磁石で惹きつけられているような感覚がずっとあった。私はカードによって引き起こされた何かに身を任せ、カードは私の魂の求めるものに信じられない程の繊細さと大胆さで寄り添ってくれているのを感じた。
こうしてあの体験を思い出しながら文章に書いていると、その時の胸の感覚がよみがえってくる。自分が見えない何者かによって愛され、守られ、祝福されているのだ、ということが身体によみがえってくる。私はなんて幸せな人間なのだろう、と思った。
マヤさんのカードヒーリングセッションは30分5,000円から。時間が超過すればそのかかった時間によって料金が加算されます。
その他にも、なにやら面白そうなセッションがたくさんある様子。もらったチラシが行方不明で正式な名前が判らないけれど、豊田さんとのペアでする「手相」をチャネリングしてマイナスのものを解放していくセッションがあったり、顔にたまっているマイナスのエネルギーを浄化解放して本来の顔を取り戻す「おじん顔ナントカセッション」だとか…
また体験したものから紹介していきます。
マヤさんのマヤン・オラクルカードセッションを受けたい人には、連絡先をお教えします。
ここにメールをどうぞ→ 福本いずみ