十牛図とは、北宋(中国)の末頃に廓庵という禅師が描いた十枚の絵で、牛である「本来の自己」を人である「自我」が探し訪ねていく、つまりは 人の魂の発達を見事に描いた普遍的な地図なのです。時代、人種をとわず、私たちはこの道筋を通って成長していくようです。そしてこの普遍的な「魔法の地図」は、私たちのDNAの中にちゃんと記録されているのです。
その、各自の内側にある「魔法の地図」を訪ねての6ヶ月の旅が、この7月から始まりました。その報告を簡単にさせていただきます。
私はアシスタントをさせて頂くということで、このワークショップが始まる前に、十枚全ての絵を一気に描かせていただきました。その時の絵と、今回じっくり学びながらの絵とが、随分違うのです。そのこともご紹介します。
第1回目は7/4、第二回目は8/8でした。
第一回目には、十牛図というものの全体を説明していただきました。そして第一図「尋牛」の絵を全員で描きました。十牛図の説明は、 岩田精治先生の著書「新しい自分と出会いたいあなたへ」や資料、その他を総合して書かせていただきます。
第一図「尋牛」本当の自分とは何か、という問いかけを始める時期で、本当の自分を生きていないのではないかという本質的な物足りなさを感じます。自分や人生に行き詰まり、「自分が問いかけそのものになる」のです。そして自力はこの時点で早々と尽き果てるのです。DNAの中に地図を持ちながらも、自意識が過剰で自己の存在に関しては無自覚です。